【まず結論】
・残置物は民法上「動産」であり売主に所有権が帰属するため、売買契約書に残置物特約(「残置物の所有権を放棄し買主が処分する」旨)を明記しない限りトラブルの原因となる場合がある。
・撤去費用の目安は1LDK=10〜30万円・3LDK=30〜80万円で、誰が負担するかを契約書の特約条項に明示することが本記事の核心となる。
・遺品整理(相続人の感情・業者連携)とは区別し、本記事では「残置物の法的性質・契約実務・費用負担の明確化」という実務的観点に特化して解説する。
高槻市の高垣町や日吉台エリアには、長年使われていない空き家が少なくありません。空き家の中には家具・家電・生活用品などが残ったままになっているケースが多く、「残置物があるから売れないのでは」と悩んでいる方も多いでしょう。
実際には残置物があっても不動産を売却することは可能です。ただし、残置物の法的な扱いと売買契約における取り決めを正確に理解しておかないと、引き渡し後にトラブルが発生する場合があります。
本記事では、残置物の定義・法的扱い・処分費用の負担・契約書の書き方・トラブル防止策について、法律と実務の両面から詳しく解説します。
残置物の定義と法的扱い(動産の所有権・撤去義務)
残置物とは何か、そして法律上どのような扱いを受けるのかを正確に理解することが、トラブルなく売却を進める第一歩です。
「残置物」の法的定義と不動産との区別
- 残置物とは不動産(土地・建物)に残された「動産」(家具・家電・生活用品など)のこと
- 不動産(土地・建物)は登記によって所有権が明確になるが、動産は占有によって権利が推定される
- 建物に固定されているもの(作り付け棚・システムキッチン等)は「付合物」として不動産の一部とみなされる場合がある
- 置いてあるだけの家具・家電は動産であり、所有権は元の所有者(売主)に帰属する
👉 例えばシステムキッチンは建物に固定されているため不動産の一部とみなされますが、冷蔵庫・洗濯機は動産です。この区別が契約書の残置物特約を書く際に重要になります。
残置物の撤去義務は誰にあるか
- 原則として残置物の所有権は売主にあるため、引き渡し前に撤去する義務は売主側にある
- ただし、売買契約で「残置物は買主が処分する」と合意すれば撤去義務を買主に移転できる
- 明確な合意なしに残置物を残すと、引き渡し後に売主が撤去を求められる場合がある
- 廃棄物処理法上、産業廃棄物でない一般廃棄物は一般廃棄物収集運搬許可業者に処分を依頼する必要がある
👉 契約書に残置物の処分責任を明記しないまま引き渡しを行った場合、買主から「引き渡し義務不履行」として損害賠償を求められる場合があります。必ず契約書で明確にしましょう。
残置物ありでも売却できる理由と条件
残置物があっても空き家を売却できる理由と、どのような条件が整えばスムーズに売却できるかを確認しましょう。
残置物ありで売却できるケースと買主の属性
- 不動産買取業者(リフォームして再販する業者)は残置物ありでも買取できる場合が多い
- 解体して土地として利用したい買主は残置物の撤去を自ら行うことが多い
- フルリノベーションを前提とした投資家は残置物ありでも購入検討することがある
- 売却価格が残置物の処分費用を反映した相場より低い場合は一般の買主でも検討する場合がある
👉 高槻市の日吉台エリアで残置物ありの2階建て一戸建てを売却した場合、買取業者への売却であれば残置物の処分費用20〜40万円を差し引いた金額での買取成立事例があります。
仲介売却で残置物ありの物件を売る場合の戦略
- 売出し価格を残置物の処分費用相当額だけ低く設定することで買主を引き付けやすくなる
- 物件の写真撮影前に最低限の清掃を行うことで印象が改善される場合がある
- 「現状引き渡し・残置物あり」と広告に明記することで問い合わせ後のトラブルを防げる
- 残置物の内容リストを作成して買主に開示することで透明性を確保できる
👉 残置物のリストを事前に作成して買主に見せることで、「何が残っているかわからない」という不安を解消し、交渉がスムーズに進む場合があります。
残置物の処分費用の目安と誰が負担するか
残置物の処分費用は物件の広さと残置物の量によって大きく変わります。費用の目安と負担の取り決め方法を確認しましょう。
間取り別の残置物処分費用の目安
- 1K・1LDK:5〜20万円程度(荷物が少ない場合)
- 2LDK:15〜40万円程度
- 3LDK:30〜80万円程度(大型家電・家具が多い場合は上限を超える場合もある)
- 不用品買取業者を活用することで費用を圧縮できる場合がある
👉 高垣町エリアで3LDKの空き家の残置物処分を依頼した場合、大型家電(冷蔵庫・洗濯機・テレビ)の引き取りで2〜5万円の費用がかかることが多く、家具の量次第で合計50万円を超える場合があります。
処分費用の売主負担・買主負担の決め方
- 売主負担:引き渡し前に売主が全額処分→通常価格に近い売却価格が実現しやすい
- 買主負担:残置物特約を設けて買主が処分→売却価格は処分費用分低くなる場合がある
- 折半:売主が一部処分し、残りは価格調整で対応する方法もある
- 買取業者の場合:処分費用込みで買取価格が設定されることが多い
👉 仲介売却で残置物処分費用40万円を買主負担とする場合、売出し価格を40万円程度下げることで「買主が処分する代わりに安く買える」という合意が成立しやすくなります。
残置物に関する契約書の書き方と特約条項
残置物トラブルを防ぐためには、売買契約書への残置物特約の記載が最も重要です。具体的な書き方と必要な記載事項を確認しましょう。
残置物特約に必ず記載すべき事項
- 残置物の処分責任が売主・買主どちらにあるかの明記
- 残置物の範囲(どこにある何が対象か)の明確化
- 処分費用の負担割合と支払方法
- 引き渡し後に追加の残置物が発見された場合の取り決め
👉 残置物特約の文例:「売主は引き渡し時に別紙リスト記載の残置物を現状のまま引き渡すものとし、買主はこれを承認する。当該残置物の撤去・処分費用は買主の負担とする」という形が一般的です。
瑕疵担保責任(契約不適合責任)と残置物の関係
- 残置物の存在を事前に開示していれば契約不適合責任の対象にはならない場合が多い
- 開示なしで残置物があった場合、買主から契約不適合として損害賠償を求められる場合がある
- 現状有姿渡しの特約を設けることで、引き渡し後の責任追及リスクを軽減できる場合がある
- 相続物件などで残置物の全容が把握できない場合は「残置物の存在を承認した上での売買」と明記することが重要
👉 2020年施行の民法改正で「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変わりました。残置物についても「知っていた欠陥を告知しなかった」場合は責任が問われる可能性がありますので、事前開示が重要です。
残置物トラブルを防ぐための事前対策
残置物に関するトラブルは、事前の対策で大部分を防ぐことができます。売却前に取り組むべき具体的な対策を確認しましょう。
売却前に行うべき残置物の確認と整理
- 残置物の全容を把握するために物件内を一通り確認してリストを作成する
- 価値のある品(骨董品・貴金属・美術品)は専門業者に査定を依頼する
- 重要書類(権利証・保険証書・通帳・印鑑など)が残っていないか確認する
- 処分費用の見積もりを複数の業者から取得して相場を把握する
👉 残置物リストを作成することで、不動産会社への査定依頼時に正確な情報提供が可能になり、適切な売却価格の設定がしやすくなります。また、後から「知らなかった」というトラブルも防ぎやすくなります。
不動産会社に相談する際に準備すべき情報
- 残置物の内容と量(写真・リストがあれば理想的)
- 所有者が明確かどうか(相続の場合は相続人全員の同意確認)
- 処分費用の負担について売主側の希望(全額自己負担か価格調整での対応か)
- 売却の希望時期と価格の優先順位(早期売却優先か高値優先か)
👉 残置物の写真と簡単なリストを用意して不動産会社に相談することで、最初の査定から正確な金額提示が受けやすくなります。準備に要する時間は1〜2時間程度ですが、後のトラブル防止に大きく役立ちます。
FAQ|残置物ありの空き家売却についてよくある質問
Q1. 残置物がある空き家でも売却できますか?
→売却できます。買取業者への売却や残置物特約付きの仲介売却などの方法があります。
Q2. 残置物の撤去は売主の義務ですか?
→原則として売主が撤去すべきですが、契約書で買主負担とする合意が成立すれば売主の義務はなくなる場合があります。
Q3. 残置物特約とは何ですか?
→残置物の撤去・処分責任を売主ではなく買主が負う旨を売買契約書に明記した特約条項のことです。
Q4. 残置物があると売却価格はどれくらい下がりますか?
→残置物の処分費用相当額(数十万円程度)が価格調整に反映される場合があります。
Q5. 空き家の残置物の処分費用の相場はいくらですか?
→間取りや荷物量によって異なりますが、3LDKで30〜80万円程度になる場合があります。
Q6. 残置物を事前に開示しなかった場合はどうなりますか?
→買主から契約不適合として損害賠償請求を受ける場合があるため、必ず事前に開示することが重要です。
Q7. 残置物の中に価値のある品がある場合はどうすればいいですか?
→売却前に骨董品・貴金属専門業者に査定を依頼し、買取か相続人間での分配を先に決めることをお勧めします。
Q8. 買取業者と仲介業者、残置物ありの場合はどちらが向いていますか?
→買取業者のほうが残置物ありの現状渡しに慣れており、手続きがスムーズになる場合が多いです。
Q9. 建物に固定されている棚なども残置物になりますか?
→建物に固定されているものは「付合物」として不動産の一部とみなされる場合があるため、契約書で明確にすることが重要です。
Q10. 残置物の撤去にかかる期間はどれくらいですか?
→業者に依頼した場合、1〜3日程度で完了することが多いですが、量や業者の空き状況によって異なる場合があります。
専門家コメント|株式会社サンエイジ代表 日下部 裕明
残置物に関するトラブルは、不動産売買において非常によく発生する問題のひとつです。高槻市の高垣町や日吉台エリアでも、長年使われていない空き家には大量の家財が残っているケースがあり、「何から手をつければいいかわからない」という方からのご相談をいただくことが多くあります。重要なことは、残置物の存在を「売却の障害」として捉えるのではなく、「契約書の記載で対処できる課題」として整理することです。
残置物については、動産と不動産の区別・撤去義務の所在・費用の負担方法を契約書に明確に記載することで、引き渡し後のトラブルを防ぐことができます。特に残置物特約は、その内容が曖昧だと後から「そういう話ではなかった」という争いになる場合があります。どの範囲の残置物をどちらが処分するのかを、できるだけ具体的に記載することが重要です。
また、処分費用を売主が負担するか買主が負担するかは、売却価格のバランスと相談者の状況によって変わります。売主が費用を負担して更地に近い状態にすることで高値売却を狙う方法と、価格調整で買主に処分を任せる方法のどちらが有利かは、物件の立地・状態・市場の需給によって異なります。私どもはどちらの方法でも対応していますので、まずご状況をお聞かせください。
2025年には高槻市内の日吉台エリアで、5年間空き家となっていた一戸建て物件(4LDK)について残置物多数の状態でご相談をいただきました。残置物リストを作成し、買取業者との交渉において「残置物処分費用55万円込みの価格調整」を反映した形で買取が成立しました。残置物ありでも市場価値に見合った価格での売却が実現できた事例です。
まとめ|残置物ありの空き家も契約次第で売却できる
残置物がある空き家でも、残置物特約を活用した現状有姿渡し・買取業者への売却・売却価格調整といった方法で売却を進めることが可能です。大切なのは、残置物の法的扱いを正確に理解し、契約書に明確な取り決めを記載することです。動産と不動産の区別・撤去義務の所在・費用負担の方法を曖昧にしたまま進めると、引き渡し後にトラブルが発生する場合があります。
残置物の処分費用は間取りや量によって大きく異なりますが、3LDKで30〜80万円程度が目安です。この費用を売主が事前に負担するか、価格調整として買主に負担してもらうかは、売却戦略によって変わります。買取業者への売却であれば残置物ありでも最短2〜4週間で現金化できる場合があります。
高槻市の高垣町・日吉台エリアの空き家についても、残置物の状況を把握した上でご相談いただければ、最適な売却方法をご提案できます。まずは気軽に株式会社サンエイジにご連絡ください。
残置物ありの空き家売却ならサンエイジにご相談ください!
高槻市で残置物ありの空き家をどうすればいいかお困りの方は、株式会社サンエイジにご相談ください。現状渡し売却・買取・残置物特約の作成など、法律と実務の両面からサポートします。残置物の処分業者のご紹介も対応しています。
初回の査定・相談は無料で承っています。高垣町・日吉台をはじめとした高槻市全域の空き家・残置物ありの物件に対応しています。「どこから手をつければいいかわからない」という方もお気軽にご連絡ください。
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