結論|“期限と評価額”を見誤ると二重の負担になる
相続税は「相続発生から10か月以内」に現金で納付する義務があります。
現金が足りず不動産を売って支払う場合、
売却までの時間と税金の計算方法を誤ると、納税が間に合わない・譲渡税が余計にかかるなどのトラブルにつながります。
不動産で納税資金を確保するには、
①評価額と実際の売却価格の差を理解する、
②相続登記を早めに済ませる、
③売却時期と税の特例を活用する、
この3点を押さえることが最重要です。
はじめに
「現金がなくて相続税が払えない」──相続の現場では非常によくある悩みです。
特に土地や建物の割合が大きい家庭では、“不動産を売って納税資金をつくる”という判断が必要になります。
しかし、相続税の納付期限(10か月)までに売却を終えられないと、延滞税が発生することも。
また、相続税の評価額と実際の売却価格は異なり、売却益が出れば譲渡所得税も課税されます。
ここでは、相続税を払うために不動産を売却するときの注意点と実務上の流れを整理します。
相続税納付の基本ルール
- 期限: 相続開始(被相続人の死亡日)から10か月以内
- 納付方法: 原則は「現金一括納付」
- 延納・物納: やむを得ない場合に限り、申請により分割納付や不動産による納付が可能
👉 現金が足りない場合でも、延納・物納の審査は厳しく時間がかかるため、
実務的には「売却して現金化する」方がスムーズです。
相続不動産を売る前に確認すべき3つの注意点
① 評価額と売却価格の差に注意
相続税は「相続時点の評価額」で計算されますが、
実際の売却は市場価格で行われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相続税評価額 | 路線価や固定資産税評価額をもとに算定(時価の7〜8割) |
| 売却価格 | 市場相場や不動産会社の査定によって決定 |
| 差額 | 売却価格が高ければ譲渡益、低ければ譲渡損 |
👉 売却時に利益が出ると譲渡所得税(約20%)が発生するため、
相続税と合わせて“二重課税のような状態”になることも。
税理士に事前シミュレーションを依頼しておくと安心です。
② 相続登記を早めに済ませる
相続税の計算と不動産の売却は別の手続きですが、
売却には名義変更(相続登記)が完了していることが前提です。
相続登記に必要な書類:
- 被相続人の戸籍・除籍謄本
- 相続人全員の戸籍・印鑑証明書
- 遺産分割協議書または遺言書
- 登記事項証明書・固定資産評価証明書
👉 登記が遅れると売却ができず、納税期限に間に合わなくなることもあります。
登記と並行して査定・媒介契約を進めるのが理想です。
③ 売却時期と特例の活用を意識する
相続不動産の売却には税金を軽減できる特例があります。
相続空き家の3,000万円特別控除
被相続人が一人暮らしだった家を相続し、
一定条件で売却した場合に譲渡益から最大3,000万円を控除できます。
主な条件:
- 相続から3年10か月以内の売却
- 相続時に被相続人が一人暮らし
- 売却前に取り壊しまたは耐震改修を行っている
取得費加算の特例
相続税を支払った場合、
支払った相続税の一部を取得費(経費)として譲渡益から差し引ける制度です。
納税した翌年から3年以内の売却が条件。
👉 売却を遅らせすぎると特例が使えなくなるため、売却スケジュールと税務申告時期を連動させることが重要です。
売却までのスケジュール例(納税期限10か月を想定)
| 期間 | 手続き | 内容 |
|---|---|---|
| 1〜2か月 | 相続登記・査定依頼 | 相続登記を司法書士に依頼。並行して査定を取る。 |
| 3〜5か月 | 媒介契約・販売活動 | 不動産会社と契約し、販売を開始。 |
| 6〜8か月 | 売買契約・決済 | 売却代金を受け取り納税準備。 |
| 9〜10か月 | 相続税申告・納付 | 税理士が申告書を提出。期限内納付で完了。 |
👉 余裕を持って相続開始から2〜3か月以内に登記・査定を開始するのが理想です。
売却時の実務ポイント
✅ 税理士と不動産会社を連携させる
売却価格の設定・タイミングで課税額が大きく変わるため、
税務と不動産の両面からの調整が不可欠です。
✅ 延納・物納の申請期限を確認
延納・物納は相続税申告と同時に申請しなければ認められません。
「とりあえず現金で払ってから売る」といった対応は非効率です。
✅ 名義が共有の場合は同意書を事前に準備
兄弟など複数人での相続では、全員の同意書がないと売却不可です。
売却の意思確認を早めに取りましょう。

専門家コメント
「相続税の納付期限は絶対的です。売却準備が遅れると、延滞税や特例の喪失といった“二重の損”につながります。
特に土地の場合、評価額と売却価格の差を正しく理解しないと、
相続税・譲渡税の両方を重く負担することもあります。
登記・売却・税務を同時進行で動かすことが、最も効率的な納税対策です。」
― 株式会社みのパラ 代表取締役 田中 聡
よくある質問(FAQ)
Q1. 納税期限を過ぎたらどうなりますか?
→ 延滞税(最大年14.6%)が課される可能性があります。早めに延納申請を。
Q2. 延納と物納の違いは?
→ 延納は分割払い、物納は不動産など現物で納める方法です。
Q3. 売却益が出た場合、いつ課税されますか?
→ 売却した翌年の確定申告で譲渡所得税を申告します。
Q4. 売却損が出た場合はどうなりますか?
→ 他の所得と損益通算できる場合があります。税理士に相談を。
Q5. 共有名義のまま売却できますか?
→ 可能ですが、全相続人の同意書と署名押印が必要です。
Q6. 相続登記をしないまま販売活動できますか?
→ 不可能です。登記が済んでいないと契約できません。
Q7. 特例を受けるための期限はありますか?
→ 相続空き家特例は3年10か月以内、取得費加算は3年以内です。
Q8. 相続税の支払いに充てる売却代金をローンでつなぐことはできますか?
→ 可能ですが、金利負担とリスクを慎重に検討しましょう。
Q9. 売却時の仲介手数料も経費になりますか?
→ はい。譲渡所得計算の「取得費・譲渡費用」に含められます。
Q10. 不動産会社はどの段階で選べばいい?
→ 相続登記の依頼と同時に査定を依頼するのがベストです。
まとめ|“時間・登記・税務”の3点管理が相続税対策のカギ
- 相続発生から10か月以内に納税。売却準備は早期着手が必須
- 相続登記が完了しないと売却契約はできない
- 評価額と市場価格の差で譲渡税が発生することも
- 特例(空き家控除・取得費加算)を活用して節税
- 税理士・司法書士・不動産会社を同時に動かすのが効率的
焦って売るよりも、最短で確実に納税資金を確保する戦略的売却が重要です。
🏠 相続不動産の売却・納税対策は株式会社みのパラへ
相続登記・評価確認・売却・税務連携まで、
司法書士・税理士・不動産コンサルタントがチームでサポート。
「相続税の支払い期限が迫っている」「現金が足りない」方もご相談ください。
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営業時間:10:00~18:30 定休日:水曜日
代表者名:田中 聡
所属団体:(一社)大阪府宅地建物取引業協会/(公社)全国宅地建物取引業保証協会/(公社)近畿地区不動産公正取引協議会
免許番号:大阪府知事(2)第60090号
資本金:1000万円
事業内容:不動産仲介、売買、買取、賃貸、管理、セミナー運営、相続相談、高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度(22-0313)




