越境の同意書はどう書く?実例付きテンプレートと注意点

目次

結論|“同意書なしの越境”は売却・融資の大きなリスク。書面で明文化してトラブルを防ぐ

隣地との境界をまたいでブロック塀・屋根・排水管・エアコン室外機・樹木の枝などが越境している場合、
口頭の了承だけでは法的効力がありません。
後日、相続人や買主がトラブルを起こすこともあるため、必ず書面で同意書を作成しておく必要があります。

結論として、

  • 「現状の越境を相互に認め、撤去を求めない」
  • 「将来の建て替え時には是正する」
  • 「第三者(買主)にも承継される」
    という3点を明記した**越境同意書(覚書)**を作成することが、売却や登記の安全な進行に不可欠です。

はじめに

「屋根の一部がはみ出している」
「排水管が隣の敷地を通っている」
──こうした越境は古い住宅地では非常に多く、
特に境界が曖昧なまま建てられた昭和期の建物でよく見られます。

売却・融資・登記の際に、越境が確認されると
「権利関係が不明確」「将来トラブルの恐れ」として
取引が一時停止・融資不可になるケースも少なくありません。

この記事では、越境時に必要な「同意書(覚書)」の書き方と、
実際に使えるテンプレート・注意点をわかりやすく解説します。


越境同意書とは

項目内容
目的隣地との越境関係を明文化し、将来のトラブルを防ぐ
効力双方が署名・押印すれば、民法上の契約として有効
典型的な越境例屋根・雨樋・塀・フェンス・排水管・樹木・基礎・エアコン室外機
提出先売買契約時・法務局(登記時添付)・金融機関(融資審査時)

👉 **“合意の証拠”ではなく、“権利関係を整理する書面”**として重要です。


越境があると起こるリスク

リスク内容
売却が進まない買主・金融機関が不安を感じるため、契約が止まる可能性
賠償請求越境により隣地の利用を妨げたと判断されるケース
建て替え時の撤去費用越境物の撤去・補修費がすべて自己負担になることも
相続後のトラブル相続人間で合意書がないと、撤去を求められるリスク

👉 “書面がない越境”は、時間が経つほど問題化するというのが実務の現実です。


越境同意書(覚書)の基本構成

  1. 当事者の特定(甲=越境される側/乙=越境している側)
  2. 越境物の具体的内容(屋根・塀・排水管など)
  3. 越境を承諾する旨(現状のまま存続を認める)
  4. 将来の撤去条件(建て替え・損壊時に撤去する等)
  5. 第三者への承継条項(売買・相続後も有効)
  6. 日付・署名・押印(実印)

【実例付き】越境同意書テンプレート

越境同意書(覚書)

甲(越境される側):大阪府箕面市箕面〇丁目〇番地〇 
氏名:山田 太郎

乙(越境している側):大阪府箕面市箕面〇丁目〇番地〇 
氏名:佐藤 花子

両者は、下記の越境物について以下の通り合意した。

第1条(越境物の内容)
乙所有の建物の屋根および雨樋の一部が、甲の土地上に約30cm越境していることを双方確認した。

第2条(現状の承諾)
甲は、本件越境物について現状のまま存続を承諾し、乙に対して撤去・移動等を求めない。

第3条(将来の是正)
乙は、建物を改築・建替え・修繕する際には、越境を解消するよう努めるものとする。

第4条(承継)
本覚書の効力は、甲乙の相続人または本物件の譲受人にも及ぶものとする。

第5条(その他)
本覚書に定めのない事項または疑義が生じた場合は、甲乙誠意をもって協議し、円満に解決するものとする。

令和〇年〇月〇日

甲:住所_______________________
  氏名_______________________印

乙:住所_______________________
  氏名_______________________印


作成時の注意点

注意点解説
実印での押印が望ましい将来的な証拠力を高めるため、認印より実印が確実
越境物を明確に記載「屋根の一部」ではなく「北側屋根の雨樋先端30cm」など具体的に
面積・距離を記載写真・簡易図面を添付すると説得力が高い
第三者への承継条項を入れる売却・相続後も効力を維持できる
公証役場で確定日付を取る書面の日付の信頼性を保証できる(数百円程度)

👉 「合意はしていた」ではなく、「書面で残した」ことが法的安定につながります。


越境同意書が必要になる典型的な場面

  1. 売却・買取時の現地調査で越境が発覚
     → 買主・金融機関に提出を求められるケースが多い。
  2. 境界確定測量後に越境が判明
     → 測量士の立会い時に越境物が確認された場合。
  3. 相続登記・遺産分割協議の前
     → 将来のトラブルを防ぐために合意書を作成しておく。
  4. 再建築・増改築の前
     → 一時的な越境(足場・工事用通路)でも同意書が必要なことがある。

実際の事例(大阪府豊中市・屋根越境)

項目対応前対応後(同意書作成)
状況屋根の先端と雨樋が隣地に15cm越境。買主が融資NG。双方で越境同意書を作成・確定日付を取得。
結果金融機関が融資を承認。売却成立・登記完了。
費用印紙不要/確定日付700円約1週間で解決。

👉 “書面一枚で止まっていた契約が動く”のが、越境同意書の実務効果です。


専門家コメント

「越境同意書は“トラブル防止の最終ライン”です。
特に古い住宅地や相続物件では、境界線が曖昧なまま建物が建っていることが多く、
測量+越境合意書のセットが今や不動産取引の標準になっています。
みのパラでは、越境の確認・測量士の立会い・書面作成・公証までを一括対応しています。」
株式会社みのパラ 代表取締役 田中 聡


よくある質問(FAQ)

Q1. 越境しているのが樹木や枝でも必要?
→ はい。枝・根の越境も民法上の問題となるため、同意書を作っておくと安心です。

Q2. 一方的に越境されている場合は?
→ まずは事実確認を行い、撤去か同意書かを協議します。

Q3. 同意書を作らないとどうなる?
→ 買主・金融機関が契約や融資を拒否するケースがあります。

Q4. 書式は自由?
→ はい。ただし内容が明確で、双方署名・押印があれば有効です。

Q5. 弁護士や調査士の立会いは必要?
→ 重要な越境(建物・基礎など)の場合は専門家の確認が望ましいです。

Q6. 書面は何通作る?
→ 2通作成し、双方が1通ずつ保管します。

Q7. 公証役場で認証した方がいい?
→ 高額取引や登記添付に使う場合は取得推奨です。

Q8. 買主にも効力がある?
→ 承継条項を記載すれば、売却後も効力が及びます。

Q9. 一時的な工事越境でも必要?
→ 足場や仮設越境も期間を明記して同意書を作るのが安全です。

Q10. 越境部分を後から撤去したら?
→ 撤去後に「越境解消確認書」を作っておくと将来の取引がスムーズです。


まとめ|“越境は書面で明確に”。小さな合意が大きな安心につながる

・越境は売却・登記・融資の妨げになるリスク
・口約束ではなく、書面(同意書)で明文化する
・越境物の内容・撤去条件・承継を具体的に記載
・公証役場の確定日付で信頼性を高める
“小さな越境でも大きな合意”が、不動産取引の安全を守る

👉 越境同意書は、“境界トラブルの予防接種”です。


🏠 越境確認・同意書作成・測量サポートは株式会社みのパラへ
法務局・調査士・公証役場との連携で、越境リスクを最小化。
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電話:072-734-6407
メール:info@minopara.co.jp
公式サイト:https://www.minopara.co.jp/

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資本金:1000万円
事業内容:不動産仲介、売買、買取、賃貸、管理、セミナー運営、相続相談、高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度(22-0313)

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