結論|「理由」と「手順」を守れば契約解除は可能
不動産売却の契約は、一度結ぶと簡単には取り消せません。
しかし、正しい手順と理由をもって行えば、法的に解除することは可能です。
焦って一方的にキャンセルすると、違約金・損害賠償のリスクが生じるため、
まずは冷静に「どの契約を」「どの理由で」「どの方法で」解除するかを整理しましょう。
はじめに
「急に売却をやめたくなった」「条件が違った」「家族の事情が変わった」──
不動産売却の現場では、契約後に気持ちが変わることも珍しくありません。
ただし、不動産売買契約は法的拘束力が強い契約です。
本記事では、
・契約の種類ごとの解除方法
・違約金が発生するケース
・安全に解除するための手順
を順に解説します。
なぜ契約解除が難しいのか
不動産売買契約は、単なる「約束」ではなく、法律上の義務を伴う契約です。
署名・押印・手付金の授受が完了した時点で、契約は成立しています。
そのため、「やっぱりやめたい」と感情的に撤回することは原則できません。
解除を行うには、法的な理由(正当事由)と正しい手続きが必要です。
契約を解除できる4つのパターン
契約の状況によって、解除できるかどうか・違約金の有無が変わります。
① 手付解除(もっとも一般的な方法)
契約時に支払った**手付金を放棄する(または倍返しする)**ことで、
双方の合意なしに契約を解除できる制度です。
ただし、引き渡しや履行に着手する前までが期限。
売主側は受け取った手付金を倍返し、買主側は支払った手付金を放棄して解除します。
② 合意解除(双方の同意による解除)
売主・買主の双方が「契約をなかったことにする」と合意すれば、
違約金を支払わずに解除できます。
ただし、実務上は仲介会社や関係者全員の同意が必要。
書面で「合意解除契約書」を作成し、後日のトラブルを防ぎましょう。
③ 契約不適合責任・説明不足による解除
契約書や重要事項説明書に虚偽・誤記・説明不足があった場合は、
売主・買主どちらからでも契約解除が可能です。
「説明と違う」「重要な事実を聞かされていなかった」などの場合は、
証拠(メール・録音・書類)をもとに主張できます。
④ 債務不履行による解除
買主が代金を支払わない、売主が引き渡さないなど、
契約上の義務を果たさない場合に成立します。
ただし、「催告(履行を求める通知)」を経たうえで初めて解除が可能。
自己判断での解除はトラブルの原因になるため、必ず書面通知を行いましょう。
契約を解除したいときの正しい手順(5ステップ)
Step1|契約書を確認する
まず確認すべきは、契約書の中にある「解除条項」。
・手付解除の可否
・違約金の金額
・履行着手の定義
これらを把握しなければ、解除の可否も判断できません。
Step2|仲介会社に意向を伝える
まずは仲介担当者に「契約解除の意思」を伝えます。
この段階で、感情的にならず理由を整理して伝えることが重要。
仲介会社が間に入り、買主側との調整を行います。
Step3|相手方に正式通知を送る
電話や口頭ではなく、内容証明郵便で正式に解除通知を送付します。
解除日・理由・返還金の有無を明記し、証拠として残します。
弁護士に依頼すれば、法的に有効な文面を作成してもらえます。
Step4|違約金・返金対応を行う
契約形態によっては、違約金・手付金返還が必要になります。
売主が解除する場合:受け取った手付金を倍返し
買主が解除する場合:支払った手付金を放棄
これをもって契約は正式に解除されます。
Step5|書面で「解除完了」を確認
最後に「契約解除確認書」を作成し、双方で署名。
これにより、トラブルの再燃を防止できます。
契約解除のリスク3つ
リスク①|違約金・損害賠償の請求
一方的に解除すると、相手側から損害賠償請求を受ける可能性があります。
広告費・登記費用・仮住まい費用など、実損分を請求されるケースも。
リスク②|信用の低下・再売却の不利
契約解除履歴が残ると、再度売却する際に「キャンセル歴あり」と判断され、
買主の信頼を損ねる恐れがあります。
リスク③|法的トラブルへの発展
通知方法や言葉の選び方を誤ると、
「解除が無効」「契約不履行だ」と反論されることもあります。
判断に迷う場合は、早めに弁護士へ相談しましょう。

【専門家コメント】
「契約解除は“感情”ではなく“手続き”です。
相手に伝える前に、必ず契約書と条項を確認すること。
早い段階で専門家に相談すれば、トラブルの9割は防げます。」
― 株式会社みのパラ 代表取締役 田中 聡
【ここに「契約解除の流れと注意点」YouTube動画を挿入】
よくある質問(FAQ)
Q1. 契約を解除したら手付金は返ってこない?
→ 原則、買主が解除する場合は放棄、売主が解除する場合は倍返しです。
Q2. 履行着手とは具体的にいつ?
→ 引き渡しや登記準備など、契約履行のための行動を始めた時点です。
Q3. 契約解除をメールやLINEで伝えても有効?
→ 法的には認められません。内容証明郵便で送るのが確実です。
Q4. 合意解除の書類は必要?
→ 必ず書面で残しましょう。後の「言った・言わない」を防げます。
Q5. 仲介手数料は返してもらえる?
→ 仲介会社がすでに契約成立させている場合は、支払い義務が残ります。
Q6. 手付解除の期限が過ぎていたら?
→ 相手方との合意解除、または正当事由による解除の検討が必要です。
Q7. 契約解除後に再度契約できる?
→ 可能ですが、条件が変わる場合があります。慎重に交渉しましょう。
Q8. 違約金が高すぎる場合は?
→ 不当条項の可能性があるため、弁護士相談を。
Q9. 相手が解除に応じない場合は?
→ 内容証明+弁護士介入で法的手続きを取ることができます。
Q10. トラブル回避のコツは?
→ 契約書の写しを必ず保管し、感情的な対応を避けることです。
まとめ|解除は「冷静な手順」で進めることが最善策
契約解除は誰にでも起こりうるものです。
大切なのは、感情ではなくルールに従って進めること。
- 契約書の解除条項を確認する
- 内容証明で正式に通知する
- 専門家に相談してリスクを減らす
この3ステップを踏めば、法的トラブルを避けて安全に解決できます。
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「できるだけ穏便に終わらせたい」「違約金を最小限にしたい」というご相談も承ります。
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