結論|個人よりも“税務と手続き”が複雑。早期に専門家と連携を
法人名義の不動産売却は、個人と違い会社の財務処理・法人税・登記・議事録など、
法的・会計的な要素が絡み合います。
「売るだけ」と思っても、手順を誤ると余分な税金や手続き遅延が発生することも。
特に決算期や事業内容との整合性を考慮しないと、節税どころか損失拡大につながります。
早い段階で不動産会社・税理士・司法書士の三者を交えて進めるのが安全です。
はじめに
会社で所有している土地・建物を売却する場合、
「使っていない資産を処分したい」「事業縮小で本社を移転したい」など、
様々な事情があります。
しかし法人名義の不動産売却では、個人売却とは全く異なる手続きと書類が必要です。
代表取締役が単独で進めてしまうと、
後で会計上の齟齬(そご)や税務署の指摘を受けることも。
ここでは、法人売却の流れと注意点を整理します。
法人名義の不動産売却の基本手順
① 取締役会で売却の決議を行う
法人所有の不動産を売る場合、会社の意思決定として正式な決議が必要です。
取締役会を設置している会社では、「取締役会議事録」を作成し、
売却金額・売却先・契約日・権限者を明確にしておきます。
② 不動産会社に査定を依頼
法人の場合も、複数社の査定を比較して適正価格を把握します。
売却目的(利益確保・資金調達・資産整理など)によって、
「仲介による売却」か「買取による即現金化」かを選択します。
③ 売買契約の締結
契約書の名義は必ず法人名(例:株式会社〇〇〇 代表取締役 △△)で記載。
法人印(実印)を使用し、会社の登記簿謄本・印鑑証明書も提出します。
また、契約書に代表者個人名だけを記載すると、無効契約になる恐れがあります。
④ 代金決済と登記手続き
司法書士の立会いのもと、所有権移転登記を行います。
登記名義人が法人であるため、提出書類には以下が必要です。
- 登記事項証明書(法人)
- 法人印鑑証明書
- 取締役会議事録
- 委任状(司法書士に依頼する場合)
- 代表者の本人確認書類
⑤ 売却代金の入金と会計処理
入金は必ず法人名義の口座で受け取り、現金化は避けるのが原則です。
売却代金は「固定資産売却益」として計上し、
減価償却累計額を差し引いたうえで、法人税の課税対象となります。
⑥ 確定申告(決算)で法人税を計算
法人の決算時に、売却による利益または損失を損益計上します。
土地には減価償却がないため、
建物部分の帳簿価額との差額が法人税の対象になります。
法人売却で起こりやすいトラブルとリスク
① 名義と印鑑の不一致
契約書に代表者個人印を押してしまい、
「法人としての契約効力がない」と指摘されるケースがあります。
② 税務上の損益処理ミス
土地と建物の区分を誤ったり、減価償却を正しく処理しないと、
課税額が過大または過少申告となり、追徴課税のリスクがあります。
③ 消費税の扱いミス
建物部分には消費税が課税されますが、
土地は非課税です。これを混同すると売却額や請求書の整合性が崩れます。
④ 売却益による法人税負担の急増
帳簿上の価値が低い物件を高値で売ると、
一時的に利益が膨らみ法人税率(約23.2%)の負担が増えます。
そのため「期ズレ」や「分割売却」を検討する企業もあります。
⑤ 役員個人への資金移動トラブル
売却益を代表者個人が流用すると、「役員貸付金」扱いとなり、
税務上のリスクが発生します。入金・支出の流れはすべて法人で完結させましょう。
節税・リスク回避のための3つのポイント
1️⃣ 税理士と早期に相談
売却時期を決算月とずらすことで、
税負担を平準化することができます。
2️⃣ 不動産会社に「法人売却経験」のある担当者を選ぶ
個人向けと違い、法人取引では議事録・税区分・契約条件などが複雑です。
法人案件の実績がある会社を選ぶことが重要です。
3️⃣ 登記・契約書は司法書士・行政書士に確認してもらう
法的要件を満たしていない契約は、後から修正できません。
特に「所有権移転日」や「売却先法人の記載」に誤りがないか必ず確認。

専門家コメント
「法人名義の不動産売却は、帳簿価額・減価償却・税区分・議事録など、
“専門知識がないと見落とす点”が非常に多い分野です。
実際、契約後に“課税額が想定の倍になった”という相談も少なくありません。
経理・法務・登記の3視点から確認することが、トラブル防止の基本です。」
― 株式会社みのパラ 代表取締役 田中 聡
よくある質問(FAQ)
Q1. 法人でも仲介会社を利用できますか?
→ はい。法人案件に対応する不動産会社を選びましょう。
Q2. 売却益が出たらどんな税金がかかりますか?
→ 法人税・地方法人税・消費税などです。個人の譲渡所得税とは異なります。
Q3. 会社が赤字の場合でも課税されますか?
→ 売却益が出れば課税対象になりますが、繰越欠損金の控除が可能な場合もあります。
Q4. 決算前と後、どちらで売ったほうが得ですか?
→ 期末調整や損益状況により異なります。税理士に時期を確認してください。
Q5. 売却代金を代表者個人が受け取っても問題ない?
→ 法的に問題があります。必ず法人口座で受領してください。
Q6. 消費税の取り扱いを間違えるとどうなりますか?
→ 追徴課税の対象になります。建物と土地の区分を明確にしましょう。
Q7. 議事録は必ず必要?
→ 取締役会設置会社は義務です。設置していない場合も作成が推奨されます。
Q8. 不動産を子会社や役員に売る場合は?
→ 「特別関係者取引」となり、時価取引・税務署報告が必要です。
Q9. 売却損が出た場合の処理は?
→ 損金算入が可能で、翌期以降の利益と相殺できます。
Q10. 法人名義の登記にかかる費用は?
→ 登録免許税・司法書士報酬・印紙代などで10〜20万円前後が目安です。
まとめ|法人不動産は“税金・登記・議事録”の3点をミスしないこと
法人名義の不動産を売る際は、
- 取締役会で正式決議を行う
- 名義・登記・税務の整合性を取る
- 専門家(税理士・司法書士・不動産会社)と連携する
この3点を徹底することで、余計な課税や法的トラブルを防止できます。
特に決算期を跨ぐ場合は、税金とキャッシュフローの調整が重要。
「売れた」ではなく「正しく売れた」状態を目指しましょう。
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MAIL:info@minopara.co.jp
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営業時間:10:00~18:30 定休日:水曜日
代表者名:田中 聡
所属団体:(一社)大阪府宅地建物取引業協会/(公社)全国宅地建物取引業保証協会/(公社)近畿地区不動産公正取引協議会
免許番号:大阪府知事(2)第60090号
資本金:1000万円
事業内容:不動産仲介、売買、買取、賃貸、管理、セミナー運営、相続相談、高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度(22-0313)




