違法建築を売るときのリスクと是正方法を詳しく解説

目次

結論|“隠す”ほど高く売れない。適法性の確認→是正計画→情報開示の3ステップが鉄則

違法建築(建築基準法や条例に適合しない建物)は、融資が付きにくく、価格も下がりやすいのが現実です。
しかし、適法性の再確認(現況調査)→是正計画の提示→契約時の明確な開示を徹底すれば、現金買いだけでなくローン利用の買主にもアプローチ可能になり、値下げ幅を最小化できます。
ポイントは、

  1. 違反の種類を正確に特定(違法建築か“既存不適格”かの切り分け)
  2. 是正に要する費用・期間・手順の根拠を示す
  3. 契約書・重説で責任範囲とスケジュールを明記
    の3点です。

はじめに

「検査済証がない」「増築部分がセットバック不足」「用途変更している」——こうした建物は、
金融機関の担保評価が厳しく、売却が長期化・低価格化しがちです。
一方で、**適正な調査と是正(または合意のうえ現況販売)**を行えば、一般流通市場での成約が十分可能です。
本記事では、違法建築の定義・主なリスク・是正方法・価格設定・実務手順を体系的に解説します。


違法建築とは?“既存不適格”との違い

区分定義
違法建築建築当時の法令にも適合していない状態建ぺい率・容積率超過、斜線・日影違反、接道義務違反、無確認・無検査、用途変更未申請、増築の未申請など
既存不適格建築当時は適法だが、その後の法改正で現行法に不適合旧耐震基準で建築、当時は緩い用途地域、法改正でセットバック要件が変化 等

👉 “違法建築”か“既存不適格”かで、是正の要否・難易度・費用・金融機関の判断が大きく変わります。まずはここを厳密に仕分けします。


違法建築の主なリスクと影響

リスク具体例影響
金融機関の融資不可・減額検査済証なし、容積率超過ローン利用の買主が離脱 → 価格下落・販売長期化
行政指導・是正命令用途違反、危険増築是正・除却コスト、売買停止の可能性
保険・保証の制限住宅ローン減税・瑕疵保険不可買主のメリット減 → 交渉力低下
契約不適合責任隠れた違反の不告知損害賠償・解除リスク
再建築・増改築の制限接道不足、違反増築将来の資産価値低下・出口リスク増大

👉 **“融資”と“契約責任”が価格形成の肝。**是正方針を示し、買主の不安を潰すことが不可欠です。


是正の考え方と代表的な方法(概算目安つき)

違反類型是正アプローチ目安費用・期間メモ
増築の未申請・図面不一致既存図面復元→適合するよう改修→確認申請(必要時)50〜300万円/1〜3か月居室用途の取りやめ・床面積縮小で適合化など
建ぺい・容積超過過床部分の除却・減築100〜500万円/1〜3か月収支バランスで現況売却も検討
斜線・日影・採光開口調整・庇撤去・用途変更30〜200万円/0.5〜2か月設計者の計算書が鍵
接道義務違反セットバック、通路地役権設定、隣地と持分設定場合により数十万〜数百万円/1〜6か月法務・測量・近隣合意が核心
用途変更未申請事後の用途変更申請・防火避難改修50〜300万円/1〜3か月事業用で多い
検査済証なし現況調査→完了検査の再取得(特定工程要件) or 既存適合判定書調査10〜50万円、是正別途/0.5〜2か月自治体運用差あり

👉 “法的適合化”と“費用対効果”の両面で意思決定。値引きより是正後流通の方が高く売れるケースが多いです。


売却前に行うべき3つの調査

① 行政・法適合調査

・建築確認番号、検査済証の有無、増改築履歴、用途、接道・斜線・防火等の適合性を建築指導課等で確認
・公図・地積測量図、道路台帳、用途地域・建ぺい容積、法22条・準防火などを整理

② 現況図面化・実測

・実測平面・立面・断面、床面積算定、採光・避難経路、階段寸法等を設計者が復元図化
・差異(違反疑義)のリスト化

③ 是正プランと概算見積

“最小是正で適法化”“減築含め完全適法化”/**“現況販売(合意型)”**の3案を作成
・期間・費用・リスクを並列比較して意思決定


販売戦略|3つのパターン

  1. 是正後販売(王道・高値狙い)
     適法化→検査済相当の証跡整備→住宅ローン利用OK
     → 一般層へ広く訴求、価格・速度ともに安定
  2. 条件付き現況販売(時間重視)
     是正計画・見積を買主へ承継、価格で調整
     → 投資家・リノベ層を狙いスピード成約
  3. 用途転換・減築セット販売(出口最適化)
     “店舗・事務所・簡易宿所”等へ用途シフト提案
     → 収益シミュレーションを提示し、投資家需要を獲得

実際の販売事例(大阪市内・検査済証なし+容積超過疑義)

項目是正前是正後(減築+図面整備)
売出価格2,880万円3,180万円
成約価格2,550万円3,060万円
期間118日63日
施策現況販売減築8㎡+採光是正+復元図+適合報告書
効果価格−330万円+510万円/短期成約/ローン通過

👉 “30〜150万円規模の是正”で、数百万円の価格改善に成功する例は少なくありません。


価格設定の考え方

指標ポイント実務の勘所
是正コスト見積を根拠に価格へ反映値引き要求に対し「反映済」を明示
融資可否検査済証の有無・適合書類ローン利用を可能にすれば買い手層が拡大
収益代替賃貸収益・事業転用で底値を作る投資利回りで逆算し価格の“理屈”を用意
タイムバリュー工期・許認可の期間“時間コスト”も価格説明に含める

広告・書面での“伝え方”テンプレ

本物件は過去の増築により現況と図面に差異があるため、設計者による現況調査を実施し、是正計画・概算見積を作成済みです。
①最小是正案(約90万円/約1か月) ②完全適法化案(約220万円/約2か月)をご用意。
販売価格には①案の是正費用を反映しております。ローン利用をご希望の方には、適合書類の整備スケジュールをご案内します。

👉 **“違反があります”ではなく、“是正計画が整っている”と伝える。**これが反響率と単価を左右します。


専門家コメント

「違法建築の売却は、『現状把握の精度』と『是正計画の説得力』で結果が決まります。
“どこが違反で、どう直すか、いくらか、どれだけで終わるか”を1枚の資料に集約
するだけで、
買主・金融機関・仲介の不安が一気に解消します。
みのパラでは、適法性調査→設計復元→是正見積→価格戦略→書面整備までを一気通貫で支援します。」
株式会社みのパラ 代表取締役 田中 聡


よくある質問(FAQ)

Q1. 検査済証がないと売れない?
→ 現況調査+適合報告でローン可の金融機関もあります。書面整備が鍵。

Q2. 是正は誰がやる?売主?買主?
→ どちらも可。**“売主是正後引渡し”が高値、“買主承継是正”**がスピード。

Q3. どこまで直せばよい?
融資要件・安全・費用対効果の交点で最適点を設計者と決めます。

Q4. 用途変更をしていたが申請していない
→ 事後の用途変更申請+必要な防火・避難改修で是正可能。

Q5. 接道が不足している
→ セットバック・通路地役権・隣地買増での適法化を検討。法務手続きが重要。

Q6. 違反を告知しないとどうなる?
→ 契約不適合責任・損害賠償・解除のリスク。必ず告知が原則。

Q7. 費用が高すぎる場合は?
→ 減築・用途転換・投資販売(現況)で出口設計を再構築。

Q8. 行政協議は誰がやる?
→ 仲介+設計者で窓口対応が一般的。議事録化して書面添付。

Q9. 耐震不足は?
→ 耐震診断→補強案の提示。補助金の有無も併せて案内。

Q10. 売出前の最短アクションは?
→ ①行政調査 ②現況図面復元 ③是正案×2と概算見積の用意。


まとめ|“違反の有無”ではなく“解決計画の有無”が価格を左右する

・まず違法建築か既存不適格かを精査
是正案+費用+期間を可視化して値引き圧力を回避
・ローン利用を見据えた書面整備(適合報告・工程表)で買い手層を拡大
・現況販売でも合意と根拠書面
で安全に取引
隠すほど安く、見せるほど高くが違法建築売却の真理


不明点の洗い出しや、あなたの物件に合わせた是正案×価格戦略のセット資料まで作成可能です。まずは現況情報(図面・登記・確認番号・写真)をお送りください。

会社名:株式会社みのパラ
所在地:〒562-0001 大阪府箕面市箕面3丁目1-5
TEL:072-734-6407 FAX:072-734-6408
MAIL:info@minopara.co.jp
URL:https://www.minopara.co.jp/
営業時間:10:00~18:30 定休日:水曜日
代表者名:田中 聡
所属団体:(一社)大阪府宅地建物取引業協会/(公社)全国宅地建物取引業保証協会/(公社)近畿地区不動産公正取引協議会
免許番号:大阪府知事(2)第60090号
資本金:1000万円
事業内容:不動産仲介、売買、買取、賃貸、管理、セミナー運営、相続相談、高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度(22-0313)

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