結論|「買主が知ったら購入をためらう可能性があること」は、すべて説明対象
不動産売却における「心理的瑕疵(かし)」とは、
物件自体に欠陥がなくても、買主が心理的に嫌悪感を抱く可能性がある事実を指します。
心理的瑕疵がある場合、売主や不動産会社には**「告知義務」があり、
これを怠ると契約解除・損害賠償**のリスクが発生します。
つまり、「伝えない方が得」ではなく、
**“誠実に伝えることで信頼を得る”**のが、結果的に早期売却への近道です。
はじめに
「前の住人が亡くなった」「近くで事件があった」「周囲に嫌悪施設がある」──
こうした情報は、物件の価値に直接関係しないように見えて、
実は買主の判断を大きく左右します。
国土交通省は2021年に「心理的瑕疵の告知に関するガイドライン」を策定し、
どの範囲まで説明が必要かを明確化しました。
本記事では、心理的瑕疵の定義・告知義務の範囲・説明のポイントを整理します。
心理的瑕疵とは?
▶ 定義
国土交通省によると、心理的瑕疵とは
「取引対象となる不動産において、買主・借主が心理的抵抗を感じ、取引の判断に影響を及ぼす可能性のある事実」
を指します。
▶ 代表的な例
| 区分 | 内容 | 告知の必要性 |
|---|---|---|
| 事故・事件 | 自殺・他殺・事故死など | 必要 |
| 犯罪関連 | 放火・暴力団・薬物犯罪など | 必要 |
| 周辺環境 | 反社会勢力の拠点、嫌悪施設(墓地・火葬場など) | 必要 |
| 自然死 | 老衰・病死など | 原則不要(ただし発見が遅れた場合は要説明) |
| 風評 | 近隣トラブル・過去の噂・霊感など | 状況により判断 |
👉 “物理的に問題がなくても、心理的に抵抗がある事実”が該当します。
法律上の根拠
心理的瑕疵の告知義務は、宅地建物取引業法と民法の2つに基づきます。
▶ 宅地建物取引業法(47条)
宅建業者は、重要な事実について
**「故意に事実を告げず、または不実のことを告げてはならない」**とされています。
▶ 民法(契約不適合責任)
売主が重要な情報を隠して売却した場合、
買主は契約解除・損害賠償を請求できます。
👉 「心理的瑕疵を黙っていた」は、法的責任の対象となります。
告知義務の範囲(どこまで説明が必要か)
国交省のガイドラインでは、心理的瑕疵のうち「人の死」に関して以下のように整理されています。
| ケース | 告知義務 | 補足 |
|---|---|---|
| 自殺・他殺・事故死 | 必要 | 期間制限なし(売買の場合) |
| 自然死(病死・老衰) | 原則不要 | 特殊清掃が必要なら告知対象 |
| 孤独死(発見まで時間がかかった) | 必要 | 腐敗・異臭・害虫発生があれば対象 |
| 室外(敷地外)の死亡 | 原則不要 | 敷地内でなければ対象外 |
| 発生から3年以上経過(賃貸) | 原則不要 | 売買では年数に関係なく告知推奨 |
👉 売却では「経過年数に関わらず」説明するのが安全です。
告知すべき内容のポイント
心理的瑕疵を説明する際は、感情的な表現を避け、事実を簡潔に伝えることが大切です。
▶ 告知内容に含める項目
- 発生年月日
- 発生場所(室内・外構・敷地内など)
- 発生原因(自殺・事故・他殺など)
- 行政・警察対応の有無
- 原状回復・清掃対応内容
▶ 告知書の書き方(例)
「令和3年4月、本物件の居室内で前居住者が自殺により亡くなられました。警察・管理会社の対応後、専門清掃業者により原状回復済みです。」
👉 「何が・いつ・どこで・どうなったか」を淡々と伝えるだけで十分です。
告知を怠った場合のリスク
| リスク内容 | 具体例 |
|---|---|
| 契約解除 | 買主が事実を知って取引を取りやめる |
| 損害賠償請求 | 瑕疵担保・不適合責任として請求される |
| 風評被害拡大 | 近隣から情報が漏れて信用失墜 |
| 行政処分 | 不動産会社の場合は業務停止処分の可能性 |
👉 後から知られた場合のダメージの方が大きく、
**「説明しすぎるくらいがちょうど良い」**といえます。
説明を上手に行う3つのコツ
① 客観的な資料を添付
警察・消防・管理会社などの報告書、
または清掃会社の施工報告書を提示すると信頼度が上がります。
② 「現状に問題がない」ことを補足
「現在は異臭・汚れ・損傷なし」と記載し、買主の不安を和らげましょう。
③ 感情を交えず淡々と説明
事実のみを短く伝えることで、心理的な抵抗を最小限にします。
心理的瑕疵がある物件の価格設定
| 瑕疵の内容 | 想定下落率 | コメント |
|---|---|---|
| 軽微(自然死・孤独死) | 0〜10% | 清掃・説明で影響を抑えられる |
| 自殺・事故死 | 10〜30% | 内容・時期により調整 |
| 他殺・事件性強い | 30〜50% | 対応記録が重要 |
| 周辺風評・暴力団関連 | 20〜40% | 地域・噂の広がり次第 |
👉 リフォーム・リノベーション・再販業者への売却で価格回復を狙うことも可能です。

専門家コメント
「心理的瑕疵は“隠すリスク”の方が圧倒的に大きいです。
今は買主も情報を自ら調べる時代。
正確に説明することでトラブルを防ぎ、むしろ“信頼される取引”になります。
事実を淡々と伝える姿勢が、最終的に価格とスピードの両方を守ります。」
― 株式会社みのパラ 代表取締役 田中 聡
よくある質問(FAQ)
Q1. 心理的瑕疵とは何ですか?
→ 買主が心理的に抵抗を感じる可能性のある事実です。
Q2. どんな場合に告知が必要ですか?
→ 自殺・他殺・事故死・孤独死・事件性のある死亡などです。
Q3. 自然死は伝えなくてもいい?
→ 原則不要。ただし発見が遅れて腐敗や臭気が発生した場合は要説明です。
Q4. 何年経てば言わなくていい?
→ 売買では年数制限なし。賃貸は3年を目安に不要とされています。
Q5. 告知をしなかった場合どうなる?
→ 契約解除や損害賠償のリスクがあります。
Q6. 周辺で事件があった場合も言うべき?
→ 敷地外であれば原則不要ですが、影響が強い場合は伝えるのが望ましいです。
Q7. 告知のタイミングは?
→ 販売前または内覧時に書面で行うのが基本です。
Q8. 不動産会社が代わりに説明してくれますか?
→ はい。ただし売主も「知っている事実」は告知義務があります。
Q9. 書面はどう作る?
→ 「心理的瑕疵告知書」などのフォーマットを利用します。
Q10. 瑕疵を理由に値下げ交渉されたら?
→ 対応履歴を説明し、過剰な値下げを避けましょう。
まとめ|“誠実な説明”が信頼と価格を守る
- 心理的瑕疵=買主が抵抗を感じる要素
- 告知義務は法律で定められた責務
- 「何を・どこまで・どう伝えるか」が重要
- 隠すより、淡々と説明する方がリスクが低い
- 清掃・書面・リフォームで安心材料を提示
👉 “誠実な情報開示”こそ、売却成功の最強の武器です。
🏠 心理的瑕疵のある不動産の相談は株式会社みのパラへ
豊富な実務経験を持つ専門スタッフが、
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トラブル回避と信頼性の高い取引をお手伝いします。
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営業時間:10:00~18:30 定休日:水曜日
代表者名:田中 聡
所属団体:(一社)大阪府宅地建物取引業協会/(公社)全国宅地建物取引業保証協会/(公社)近畿地区不動産公正取引協議会
免許番号:大阪府知事(2)第60090号
資本金:1000万円
事業内容:不動産仲介、売買、買取、賃貸、管理、セミナー運営、相続相談、高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度(22-0313)




