結論|“利益の出し方とタイミング”で税負担は大きく変わる
法人が不動産を売却した際に課される税金は、法人税・地方法人税・消費税など複数に及びます。
しかも、売却のタイミングや帳簿価額の扱いを誤ると、
本来より多くの税金を支払うことになるケースが少なくありません。
売却益を抑えつつ、損金や経費とバランスを取るには、
税理士と連携した「決算期の調整」と「経費算入の最適化」が鍵です。
はじめに
法人が保有する不動産を売却するとき、
「会社の利益になる」と思われがちですが、実際は税務処理が非常に複雑です。
土地・建物の扱い、減価償却の差額、事業との関連性などによって、
課税額が大きく変わります。
ここでは、法人売却でかかる税金の種類と、
無駄な税負担を減らすための具体的な節税ポイントを解説します。
法人が不動産を売却したときにかかる主な税金
① 法人税・地方法人税
売却によって得た利益(=譲渡益)は、会社の「益金」として計上されます。
そのため、通常の営業利益と合算して法人税・地方法人税が課されます。
- 法人税率(中小企業の場合)… 約15〜23.2%
- 地方法人税率… 約10%前後
👉 売却益が大きいと、決算期に急激な税負担増となることがあります。
② 消費税
建物部分は課税対象、土地部分は非課税です。
売却価格に消費税を上乗せして請求する場合、建物と土地の区分明記が必要です。
例)
- 土地:非課税
- 建物:課税(10%)
※税込価格で契約する場合は、課税対象額を明確にしておかないと税務処理で混乱します。
③ 登録免許税・印紙税
売買契約書には印紙税(契約金額に応じて1万円〜6万円程度)がかかります。
また、所有権移転登記の際には**登録免許税(固定資産評価額×2%)**を負担します。
④ 住民税・事業税
法人の所在地や事業内容によって課税される地方税です。
売却益が多いほど税率が上がるため、利益圧縮の工夫が節税の要になります。
法人の不動産売却でよくある税務トラブル
1️⃣ 減価償却の扱いミス
建物は経年で減価償却されています。
帳簿価額と売却価格の差額が利益になるため、
償却済みの建物を高く売るほど課税額が大きくなる点に注意が必要です。
2️⃣ 土地・建物の区分を曖昧にして申告
土地は非課税なのに建物と一括で処理してしまい、
本来不要な消費税を払ってしまうケースがあります。
3️⃣ 売却時期を誤って決算期に利益が集中
決算直前に売却すると、利益が期内に集中して課税対象額が増えるリスクがあります。
一方、期をまたいで処理すれば税負担を平準化できることもあります。
4️⃣ 売却損の損金算入漏れ
帳簿価額より安く売却した場合、その差額は損金として計上できます。
しかし仕訳を誤ると、節税効果が消えてしまうことも。
節税のために押さえておきたい5つのポイント
① 売却時期を決算期とずらす
決算期直前の売却は課税額が急増しやすいため、
翌期にずらすことで税率の平準化が可能です。
特に中小企業では、年度をまたぐだけでキャッシュフローが大きく変わります。
② 売却費用を経費化する
仲介手数料・司法書士報酬・広告費・測量費などは、すべて必要経費として処理可能です。
これらを漏れなく損金計上することで、実質課税額を下げられます。
③ 建物部分の評価を適正化
建物と土地を正しく区分することで、消費税の過払いを防止できます。
また、帳簿上の建物評価額が古い場合は、再評価して減価償却の残高を調整しましょう。
④ 売却益を圧縮する方法を活用
- 他の固定資産を購入して「特別償却」を適用
- 中小企業投資促進税制を利用
- 設備更新や修繕工事を売却年度に実施し、損金計上
これにより、一時的な利益を相殺し税負担を軽減できます。
⑤ 売却後の資金を再投資・圧縮記帳
不動産を売却して得た資金を新たな事業用資産に充当することで、
「圧縮記帳」により課税対象額を減らすことができます。
実際のシミュレーション(簡易例)
| 区分 | 建物簿価 | 売却価格 | 売却益 | 税率(概算) | 税額目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| ケース① 高額売却 | 500万円 | 1500万円 | +1000万円 | 約30% | 約300万円 |
| ケース② 損失売却 | 2000万円 | 1500万円 | ▲500万円 | 損金算入 | 税負担軽減 |
| ケース③ 再投資活用 | 1000万円 | 2000万円 | +1000万円 | 圧縮記帳適用 | 課税軽減 |
👉 売却益が出ても、設備投資や修繕で損金調整すれば実質税額を抑えられます。

専門家コメント
「法人の不動産売却で最も多い失敗は、“個人と同じ感覚で処理してしまう”ことです。
土地・建物の区分、減価償却、課税時期の調整──いずれも専門知識が必要です。
特に、期末利益を圧縮せずに決算を迎えると、思わぬ税負担になることがあります。
税理士と不動産会社が連携してシミュレーションすることで、節税余地は大きく広がります。」
― 株式会社みのパラ 代表取締役 田中 聡
よくある質問(FAQ)
Q1. 法人が不動産を売るときの税率は何%?
→ 一般的に約23.2%前後(法人税+地方法人税)ですが、規模や所得により異なります。
Q2. 土地と建物のどちらに税金がかかりますか?
→ 建物部分は課税対象、土地は非課税です。
Q3. 売却損が出た場合はどうなりますか?
→ 損金として計上でき、他の利益と相殺が可能です。
Q4. 売却益を次の期に繰り越せますか?
→ 原則できません。ただし圧縮記帳などの特例で調整可能です。
Q5. 消費税の申告は必要ですか?
→ 建物部分の取引がある場合、課税事業者は申告が必要です。
Q6. 売却にかかった手数料は経費になりますか?
→ はい。仲介手数料・測量費・登記費用などは全て損金算入可能です。
Q7. 決算期を意識して売却した方がいいですか?
→ はい。期を跨ぐだけで税負担が軽くなる場合があります。
Q8. 売却代金を役員個人に振り込むのはNG?
→ はい。役員貸付扱いとなり、税務上の問題が生じます。
Q9. 法人でも特例控除や減税措置は使えますか?
→ 中小企業投資促進税制や圧縮記帳制度などが利用できます。
Q10. 税理士はいつ依頼すべき?
→ 査定段階から関与してもらうのが理想です。契約後では節税余地が限られます。
まとめ|法人売却は“帳簿・時期・区分”で節税が決まる
法人が不動産を売却するときは、
- 建物と土地の税区分を明確にする
- 売却時期を決算とずらす
- 経費化・圧縮記帳・損金算入を活用する
- 税理士・司法書士・不動産会社と連携する
この4点を押さえることで、税負担を数十万円〜数百万円単位で軽減できます。
「売った後に慌てる」より、「売る前に戦略を立てる」ことが、最大の節税対策です。
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売却前シミュレーションから契約・決算までワンストップ対応。
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代表者名:田中 聡
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免許番号:大阪府知事(2)第60090号
資本金:1000万円
事業内容:不動産仲介、売買、買取、賃貸、管理、セミナー運営、相続相談、高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度(22-0313)




