相続財産を分配する際の不動産売却手順と注意事項

目次

結論|不動産の分配は“現金化して分ける”のが最も公平で確実

不動産は現金と違い、分割が難しい資産です。
そのため、**売却して現金化したうえで相続人に分配する「換価分割」**が最もトラブルの少ない方法です。
ただし、売却には相続登記や全員の同意、税金対策など多くの手続きが必要。
**「誰の名義に登記するか」「どのタイミングで売るか」**を誤ると、
節税のチャンスを逃したり、相続人間のトラブルに発展することもあります。
公平でスムーズな分配には、手順と法律の理解が不可欠です。


はじめに

「兄弟で相続した家をどう分けるか」
「不動産のままでは話がまとまらない」──
こうした相続相談の多くは、不動産の分配をどうするかが原因です。
建物や土地は均等に分けることができないため、
最終的には**売却して現金で分配するケース(換価分割)**が最も現実的。
この記事では、相続財産のうち不動産を売却して分配する際の手順と注意点を、
専門家監修のもとでわかりやすく解説します。


相続不動産の分配方法は3種類

方法内容特徴
① 現物分割不動産をそのまま分ける土地を分筆して持分ごとに分配(実務上は難しい)
② 代償分割1人が相続して他の相続人に金銭を支払う不動産を引き継ぎたい人が代償金で調整
③ 換価分割不動産を売却して現金を分配最も公平・シンプル。相続人全員の同意が必要

👉 換価分割(売却による分配)が最もトラブルが少なく、平等に資産を分けやすい方法です。


不動産売却による分配の流れ(換価分割の手順)

Step1. 相続人の確定と相続関係の整理

まずは戸籍謄本などですべての相続人を確定します。
1人でも漏れると、後に契約が無効になるおそれがあります。

  • 戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍をすべて取得
  • 法定相続人を一覧にまとめる
  • 相続関係説明図を作成しておくと便利

Step2. 遺産分割協議書の作成

不動産を「売却して現金を分配する」旨を明記した遺産分割協議書を作成します。

記載例:
「本不動産を売却し、その売却代金から費用を差し引いた残額を、
各相続人の法定相続分に応じて分配する。」

全員の署名・実印・印鑑証明書が必要です。


Step3. 相続登記(名義変更)

不動産の名義を、被相続人から代表相続人(または共有)へ移転します。
これにより、売主としての権利が確定します。

登記方法特徴
代表者1人の名義売却手続きがスムーズ。分配は売却後に行う。
共有名義平等だが、契約・登記・手続きに全員の同意が必要。

👉 実務上は「代表者1人に登記→売却→現金分配」が一般的です。


Step4. 不動産の査定と売却活動

不動産会社に依頼し、査定額と売却プランを提示してもらいます。
複数社に依頼して比較すると公平です。

  • 査定書は全相続人に共有
  • 媒介契約を代表者名義で締結
  • 売却条件(価格・期限)を協議書で確認

Step5. 売買契約・決済・分配

買主が決まったら、全相続人の同意を得て契約締結。
売却代金から費用(仲介手数料・登記費用など)を引いた残額を分配します。

分配方法の例:

  • 銀行振込でそれぞれに送金
  • 代表者が立替え分配する場合は明細を残す

売却時にかかる主な費用と税金

費用項目目安額備考
仲介手数料売却額の3%+6万円+消費税一般的な上限報酬
登記費用(司法書士)5〜10万円登記内容による
測量・解体費10〜100万円状況による
譲渡所得税売却益の20.315%(長期)特例で軽減可
印紙税1〜6万円契約書に貼付

👉 節税には空き家特例(3,000万円控除)や取得費加算特例の活用が有効です。


注意点①|全相続人の同意が必須

不動産売却による換価分割では、1人でも反対すると売却できません。
同意を得るために、査定書や見積書を共有し、透明性を保つことが大切です。

👉 トラブル回避のため、協議書の文言と証拠資料の保存を徹底しましょう。


注意点②|代表相続人の責任

代表相続人の名義で売却する場合、金銭の分配責任が発生します。
「分配明細書」を作成し、全員の署名を得ておくことで後日の誤解を防げます。


注意点③|特例・控除の適用期限

節税を目的とする場合は、以下の期限を意識してください。

制度期限
空き家特例(3,000万円控除)相続開始から3年を経過する年の12月31日まで
取得費加算特例相続開始から3年10か月以内の売却
相続登記の義務化相続開始から3年以内(2024年以降)

👉 **「3年以内に登記・売却・申告」**が節税とトラブル防止の共通ポイントです。


専門家コメント

「不動産を分配する際は、“誰が売るのか”“どう分けるのか”を明文化することが最優先です。
売却前に相続登記を完了させ、税務・登記・分配の流れを一体的に管理できる体制を整えるとスムーズです。
代表者が責任を持って進める場合は、分配方法の証拠化を忘れないようにしましょう。」
― 株式会社みのパラ 代表取締役 田中 聡


よくある質問(FAQ)

Q1. 相続人のうち1人が反対したら売れませんか?
→ はい。売却には全員の同意が必要です。調停を申し立てる方法もあります。

Q2. 代表者1人に登記して売るのは問題ありませんか?
→ 全員の同意があれば可能です。売却後の分配を明文化しましょう。

Q3. 換価分割を協議書に入れるには?
→ 「不動産を売却し、売却代金を法定相続分で分ける」と記載します。

Q4. 相続登記は誰が行いますか?
→ 相続人全員の依頼で司法書士が代理申請するのが一般的です。

Q5. 売却後の税金は誰が払う?
→ 売却益の発生割合に応じて、各相続人が申告・納税します。

Q6. 相続税を支払う前に売却してもいい?
→ 問題ありませんが、相続税の申告期限(10か月)を超えないよう注意。

Q7. 売却代金を代表者が一時的に預かってもいい?
→ 可能ですが、分配記録と領収書を残すことが重要です。

Q8. 換価分割で揉めた場合は?
→ 家庭裁判所の調停・審判で分配を決定します。

Q9. 節税のために使える制度は?
→ 空き家特例・取得費加算特例・相続税の損益通算などがあります。

Q10. 売却完了までの期間は?
→ 相続登記と協議含めて、3〜6か月が一般的です。


まとめ|公平で円滑な分配には“登記・協議・売却”の3ステップが鍵

  • 不動産を分けるなら「換価分割」が最も公平
  • 売却には相続登記と全員の同意が必須
  • 税金対策は3年以内の売却・申告が条件
  • 分配は明細と協議書で証拠を残すことが重要

相続不動産の売却は、法律・税務・感情のバランスが求められる繊細な手続き。
専門家と連携し、公平・透明・迅速な進行を心がけましょう。


🏠 相続不動産の分配・売却相談は株式会社みのパラへ
司法書士・税理士・不動産コンサルタントがチームで対応し、
登記・協議・売却・分配・税申告をワンストップでサポート。
「兄弟間で話が進まない」「公平に分けたい」という方はお気軽にご相談ください。

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📩 メールでのご相談:info@minopara.co.jp
🌐 公式サイト:https://www.minopara.co.jp/


会社概要

会社名:株式会社みのパラ
所在地:〒562-0001 大阪府箕面市箕面3丁目1-5
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MAIL:info@minopara.co.jp
URL:https://www.minopara.co.jp/
営業時間:10:00~18:30 定休日:水曜日
代表者名:田中 聡
所属団体:(一社)大阪府宅地建物取引業協会/(公社)全国宅地建物取引業保証協会/(公社)近畿地区不動産公正取引協議会
免許番号:大阪府知事(2)第60090号
資本金:1000万円
事業内容:不動産仲介、売買、買取、賃貸、管理、セミナー運営、相続相談、高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度(22-0313)

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