相続放棄後の不動産はどうなる?放置リスクと対処法

目次

結論|放棄しても“消えない責任”がある。管理と報告を忘れずに

相続放棄をしても、不動産そのものが自動的に国に移るわけではありません。
相続放棄が成立しても、
次の相続人(第二順位・第三順位)または相続財産管理人が決まるまでは、
放棄した人にも一時的な管理義務が残る点に注意が必要です。
この期間に放置して空き家や土地が荒れれば、
行政処分・損害賠償・代執行費用の請求といったリスクも発生します。
「放棄したから関係ない」と思って何もしないのは危険です。
“放棄後の管理と引き継ぎ”を正しく行うことが、トラブルを防ぐ唯一の方法です。


はじめに

相続放棄は、「財産も借金もすべて引き継がない」という選択肢です。
しかし、実際に放棄をしても不動産が残っている場合、
「この家や土地はいったい誰のものになるのか?」と疑問に感じる人は多いでしょう。

特に空き家を放置したままにしておくと、
倒壊・火災・雑草繁茂などによる行政介入の対象になるケースもあります。

この記事では、相続放棄後の不動産がどう扱われるのか、
そして放置した場合のリスクと正しい対処法を詳しく解説します。


相続放棄とは?基本の仕組み

相続放棄とは、被相続人(亡くなった人)の財産・負債を一切受け継がない制度。

✅ 放棄の手続き

  • 家庭裁判所に「相続放棄の申述書」を提出
  • 受理されると、その人は最初から相続人でなかったとみなされる
  • 申述期間は相続開始(死亡を知った日)から3か月以内

👉 借金のある相続や、使わない実家の処分を避けたい場合などに利用されます。

しかし、ここで重要なのは──
放棄しても不動産がすぐに国の管理下に入るわけではないということです。


放棄後の不動産はどうなるのか

① 放棄者ではなく次の相続人に権利が移る

放棄した人の代わりに、次順位の相続人(例:兄弟・甥姪)が相続人となります。
全員が放棄した場合は「相続人不在」となり、
家庭裁判所による“相続財産管理人”の選任手続きが必要になります。


② 相続財産管理人がいない間は“放棄者に一時的な管理義務”

民法第940条では、

放棄した者も、他に管理する者が現れるまで、財産を損なわないよう必要な管理をしなければならない。

と定められています。

つまり、放棄しても一時的に管理責任が残るため、
空き家や土地を放置することは法的に認められません。


③ 管理人が選ばれた後に初めて責任が解消

家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任すると、
以後の管理・売却・清算などの責任はその管理人に引き継がれます。
この段階で、放棄者の管理義務は消滅します。


放置すると発生する4つのリスク

リスク内容詳細
① 行政指導・特定空家指定放置によって老朽化・倒壊の危険があると「特定空家」に指定され、指導・勧告・命令を受ける。
② 行政代執行・費用請求命令を無視すると行政が代わりに解体し、**解体費用(数百万円)**を請求される。
③ 損害賠償請求屋根の崩落・火災・倒木などで近隣被害が出た場合、放棄者にも過失責任が問われることがある。
④ 税金・郵便物の請求放棄を自治体に伝えないと、固定資産税の納税通知や光熱費の請求が届く。

👉 放棄の手続き後も、「管理者不在の期間」は特に危険。
行政・近隣・裁判所の三方面でトラブルが発生しやすくなります。


正しい対処法|放棄後にやるべき3ステップ

Step1. 家庭裁判所に「相続財産管理人」の選任を申立て

相続人が全員放棄した場合、
不動産を管理・処分できる人がいなくなります。
その場合は家庭裁判所に「相続財産管理人の選任」を申立て、
弁護士や司法書士が代わりに管理を行うようにします。

申立費用目安: 約5〜10万円程度(+予納金)


Step2. 自治体に「相続放棄済み」を通知

相続放棄が受理されたら、
家庭裁判所からの受理証明書を添付して自治体に提出。
固定資産税や空き家対策通知を自分に送らないよう手続きします。


Step3. 管理人が決まるまで最低限の管理を継続

  • 郵便物やゴミの処理
  • 雑草・雨漏り・倒壊防止の応急対応
  • 近隣住民への連絡

👉 この期間中の事故や火災は、放棄者にも責任が及ぶ場合があるため要注意です。


放棄後の管理を怠った事例(実例)

  • ケース①: 相続放棄後、空き家が倒壊し近隣車両を損傷。放棄者に賠償命令。
  • ケース②: 行政が代執行で解体、費用350万円を相続放棄者に請求。
  • ケース③: 放棄後にゴミが不法投棄され、衛生問題に発展。行政から是正勧告。

👉 放棄した不動産でも「一時的な所有者扱い」と見なされるため、放置=免責ではないことが分かります。


専門家コメント

「相続放棄後に“もう関係ない”と空き家を放置してしまう人が非常に多いです。
しかし、管理人が決まるまでの間に事故が起きると、放棄した人でも損害賠償を請求されるケースがあります。
放棄が済んだら管理人の申立てと自治体への通知を早めに行いましょう。
トラブル防止には、司法書士・弁護士・不動産会社が連携するのが理想です。」
― 株式会社みのパラ 代表取締役 田中 聡


よくある質問(FAQ)

Q1. 相続放棄したのに固定資産税が届きました。どうすれば?
→ 家庭裁判所の受理証明書を添付して自治体に「相続放棄済み」を正式に通知しましょう。

Q2. 放棄した家を勝手に解体できますか?
→ できません。相続財産管理人を通じて行う必要があります。

Q3. 全員が放棄したら家はどうなりますか?
→ 管理人を通じて処分・競売・国庫帰属(最終的に国へ)となります。

Q4. 放棄後に空き家で事故が起きたら責任は?
→ 管理を怠っていた場合、過失責任を問われる可能性があります。

Q5. 管理人は誰が選ばれますか?
→ 弁護士・司法書士などの専門家が家庭裁判所により選任されます。

Q6. 放棄後に不動産を誰かが不法占拠してしまいました。
→ 管理人が決まるまでは、放棄者は直接対応せず警察・自治体に相談してください。

Q7. 放棄の手続きは自分でできますか?
→ 可能ですが、書類不備が多いため司法書士・弁護士に依頼するのが安全です。

Q8. 放棄しても葬儀費用は支払う必要がありますか?
→ はい。放棄しても社会的義務として支払うことが一般的です。

Q9. 管理人の費用は誰が負担しますか?
→ 相続財産から支払われますが、財産がない場合は申立人が一時的に立替えることがあります。

Q10. 放棄した不動産を早く手放す方法はありますか?
→ 管理人の選任→売却・処分→国庫帰属の流れが最短です。専門家に相談を。


まとめ|放棄しても“責任ゼロ”ではない。管理と申立てが必須

  • 放棄しても、管理人が決まるまで一時的な管理義務が残る
  • 放置すれば行政指導・代執行・損害賠償のリスク
  • 「相続財産管理人の申立て」と「自治体への通知」が重要
  • 空き家管理を怠ると放棄の効果が無効になる恐れも
  • 放棄後は司法書士・弁護士に相談して早期対応を

👉 「放棄したら終わり」ではなく、「放棄した後こそ始まる管理」が重要です。


🏠 相続放棄・空き家管理のご相談は株式会社みのパラへ
司法書士・弁護士・不動産コンサルタントが連携し、
放棄→管理→処分→登記までワンストップで対応。
「放棄した不動産をどう扱えばいいかわからない」という方もお気軽にご相談ください。

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代表者名:田中 聡
所属団体:(一社)大阪府宅地建物取引業協会/(公社)全国宅地建物取引業保証協会/(公社)近畿地区不動産公正取引協議会
免許番号:大阪府知事(2)第60090号
資本金:1000万円
事業内容:不動産仲介、売買、買取、賃貸、管理、セミナー運営、相続相談、高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度(22-0313)

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